こんにちは、就活ライブラリー編集長のそるてぃーです。
就職活動における選考について一番悩むのは面接ではないでしょうか?私自身も就職活動をしている中で面接が最も悩みの多い選考でしたし、実際にキャリアアドバイザーをしていても就活生から来る相談の多くが面接に関するものでした。エントリーシートやグループディスカッションを通過すると待ち受ける一次面接。採用する企業が「どんな目的で」「何を知りたくて」「どんな質問を通して」「どのくらいの人を通過させるのか」を明確に理解することで、一次面接突破の糸口をつかむことができます。
今回は新卒採用における一次面接の立ち位置や種類と通過率、評価されるポイントや頻出質問例を記載した上でそれぞれに対する対策方法を元新卒採用責任者×現役キャリアアドバイザーの観点から徹底解説します。
新卒採用における一次面接とは?
エントリーシートは通過するようになったけど、ほとんどの企業で一次面接不合格になってしまう…
一次面接で毎回不合格になってしまうのには何か根本的な原因があるのかな…
一次面接の合格・不合格には明確に理由があります。また、不合格の理由の多くが”改善可能なポイント”であることが多いです。つまり、一次面接で不合格になっているケースの多くが「勿体無い」不合格なのです。面接官に正しく評価をしてもらい、一次面接を通過する確率を上げましょう。
一次面接の種類にはどんなものがある?
一言に一次面接と言っても、企業によって様々な位置付けがされています。一次面接を集団面接としている企業もあれば、個人面接としている企業もあります。また一次面接を足切りとしてふるい落としを目的とした選考としているケースもあれば、自社にマッチする人材をピックアップするための選考としているケースもあります。さらには担当する面接官にも違いが出てきます。一般的には若手の採用担当や現場のエース社員が担当するケースが多いですが、企業によっては社長が一次面接をするような企業もあったりします。それぞれ意図があるのですが、面接を受ける際にはそう言った情報は説明会での質問タイムなどで事前に情報収集をしておくことをお勧めします。
一次面接の通過率は企業によって異なる
上述したように企業によって一次面接の位置付けが異なるため、それに応じて一次面接の通過率も大きく異なります。それは対応する面接官の工数や採用人数によっても変化するため、一概に言うことは難しいですが、ここでは参考程度に企業属性によって棲み分けしました。
外資系企業の一次面接通過率:20%
外資系企業の一次面接は「自社とマッチしない学生を振るい落とす」足切りとしての面接ではなく「自社とマッチする採用したい人材」をピックアップするための面接となっています。そのため面接における評価ポイントには非常に厳しい基準が設けられており、通過率は低くなっています。
日系大手企業の一次面接通過率:30%
日系大手企業は就活生に非常に人気で、最も就活生からの応募の多い企業属性です。しかしながら採用人数は応募人数に比べて非常に少なく狭き門であることや、応募が多く人事だけでなく現場社員にもリクルーターとして面接に入ってもらう必要があるため企業としても少人数を採用するのに余計な工数を取ることはできないという考えになりやすいです。そのため効率的に選考を進めるため、エントリーシートやSPI、そして一次面接で多くの学生をふるい落とします。
ベンチャー企業の一次面接通過率:40%
ベンチャー企業の一次面接の通過率は年々下がってきています。それは就活生が徐々に大手=安定という考え方ではなくなってきており、個人の市場価値を重視した際にベンチャー企業に入社する人が増えてきたためです。とはいえ、外資系や日系大手と比較すると就活生から応募件数は相対的に少ないため、一人一人の就活生をしっかりと見極める必要があります。そのためエントリーシートを設けない企業や説明会後すぐに1対1の個人面接を実施してくれる企業などもあるのです。
とはいえベンチャー企業の多くは採用人数も多くない企業が大多数を占めるため採用基準は高く、難易度は日系大手と遜色ないレベルと言えます。
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【一次面接】評価されるポイント
一次面接において評価されるポイントは3つあります。
- コミュニケーション能力
- 視覚情報(第一印象)
- 性格・スタンス
1.コミュニケーション能力
コミュニケーション能力という言葉は様々な意味で使われますが、就職活動におけるコミュニケーション能力は、「①相手の質問の意図を的確に捉え、②簡潔に回答することができる力」だと認識しましょう。
- 相手が「なぜその質問をしたいのか」を推測する
- 質問に対して「一言で」「結論から」回答する
とはいえ抽象的なポイントであるため、より具体的なアクションを考えてみました。
- 何を知りたくてその質問をしているのかを考えてみる
- 相手の質問をおうむ返しして回答する
例えば、面接官から学生時代頑張ったことについて質問されたとします。面接官はどうして学生時代頑張ったことを聞きたいのでしょうか?実は面接官はただ学生時代頑張ったことを聞きたいのではなく、頑張ったことを聞くことでその人の「行動特性」や「強み」を引き出すことができると考えているのです。
2.視覚情報(第一印象)
第一印象を構成しているものには下記の4つがあります。
(1)清潔感
(2)笑顔
(3)マナー
(4)声
その中でも視覚で分かる情報は面接において非常に大きな影響を及ぼす可能性があります。
メラビアンの法則では、第一印象は視覚情報で55%を占めると考えられており、最も重要度の高い要素です。清潔感のある服装や髪型になっているかのチェックや、明るい笑顔で会話する練習をしましょう。
また近年オンライン面接が一般化しているため、オンライン面接におけるポイントも把握しておく必要があります。
【就活生必見】オンライン面接の13の注意点と評価ポイントをチェックリストで解説!
3.性格・スタンス
一次面接においてみているポイントは、あなたの強みについてです。特にここでいう強みというのは、スキルや経験ではありません。スキルや経験はすぐに活用できるものではあります。ただ、新卒採用はポテンシャル採用です。中長期的に活躍することを想定して採用しているためすぐに使えるスキルではなく、他の人に代替されない性格やスタンスを前提とした強みをアピールする必要があります。
【一次面接】における面接官の心理
一次面接は
・現場で活躍する若手社員
・人事課の若手社員
が担当することが多いと言われます。一次面接官に抜擢されるのは「会社が信頼している」エース社員であることが多いです。
一次面接官は面接において、採用要件に合うキーワードないしはミスマッチとなるキーワードを導き出したいと考えています。
【一次面接】で落ちる理由
一次面接で不合格になっているということはつまり「振るい落とし」をされている可能性が高いということです。
もちろん、企業によって一次面接の位置付けや評価基準は異なるものの、共通して評価するポイントもあります。複数の企業で一次面接不合格になっている場合は基礎的な部分で落ちてしまっている可能性があります。
☑️ 第一印象が悪い(髪型、服装、笑顔、マナー)
☑️ コミュニケーション能力(結論から端的に回答)
☑️ ガクチカ・自己PR・志望動機の内容が浅い(相手に合わせたアピールができていない)
上記はすぐにでも改善ができる内容になっているはずです。一次面接の落ちる理由をなくすための対策方法はこちらです。
録画して振り返る
自分自身を客観的に見つめることは面接対策において非常に重要です。少し恥ずかしいですが、動画内の自分の立ち振る舞いを見ることで、どんな第一印象を感じるかや見た目、マナーの違和感を普段より感じることができるようになります。
周りの人に模擬面接をしてもらう
周りの家族や友人、大学のキャリアセンターの方に模擬面接をしてもらいフィードバックをもらうことが一番客観視できる方法です。ただ模擬面接を身近な人に頼むのはかなりハードルが高いですよね。
そういう時は就活エージェントを使いましょう。就活エージェントとは、専任のキャリアアドバイザーが就職活動をトータルで支援してくれるサービスです。自己分析から優良企業の紹介、業界研究から面接対策まで伴走する形でサポートしてくれるので、非常に心強い味方です。
面接練習のために受ける企業も選定してくれるので、ぜひ活用しましょう。
一次面接の流れ
ここからは一般的な一次面接の流れについて説明します。
※実際に私が一次面接を実施していた際に進めていた流れです。
- オープニング挨拶・自己紹介・アイスブレイク
- ヒアリング就職活動の状況・就活の軸
- ヒアリング学生時代に頑張ったこと
- ヒアリング自己PR
- ヒアリング将来やりたいこと・なりたい姿
- クロージング逆質問
一次面接でよく聞かれる質問例
ここからは一次面接でよく聞かれる質問例をご紹介します。また一部抜粋してその質問の位置付けや意図、回答の考え方についても解説します。
逆質問のポイントを知りたいことはこちら
一次面接の質問解説①:自己紹介
面接における自己紹介は非常に重要です。それは、「面接における第一声を発する内容」であることからあなたの第一印象を決定づけるコンテンツであるからです。
そのため私は正直自己紹介においては内容よりも前述した”伝え方”のほうが重要であると考えますが、下記内容は自己紹介で話せるようにしておくと安心でしょう。
- 大学名
- 学部・学科
- 氏名
- 学生時代に力を入れたこと
- 趣味・特技
- 今日の意気込み
- 簡単な志望理由
自己紹介において意識して欲しいことは、まずは第一印象をいかに良くできるかです。
その次に重要なのは「面接官の印象に残ること」でしょう。面接官は1日で非常に多くの学生と面接します。実際に私は1日の面接が7枠ありそれぞれ2-3名の集団面接でしたので、毎日約20名の就活生と面接をしていたため、1日の面接終了後に合否チェックやフィードバックを記載するのですが、その際に印象に残っているかが実は重要なのです。自分のキャッチフレーズでも特技でもいいので記憶に残る自己紹介にしましょう。
一次面接の質問解説②:学生時代頑張ったこと・自己PR
自己PRや学生時代頑張ったことでは、「利益を生み出せる人材かどうか」を見ています。つまり学生時代頑張ったことを話す際には「企業がその企業で社員が活躍するために必要と考えている強み」をアピールできるような内容・文章構成・話し方にしましょう。
選考の合否を決める7〜8割はこの「強みを持ち合わせているか」で決まると考えてもらって結構です。どれだけ一緒に働きたいと思っていても、営利を目的とする株式会社の場合利益を生み出せないと採用することはできません。
企業が求める強みを見極めるためには、「その企業がどんな価値を提供し、誰からお金をもらうのか」を明確にする必要があります。
一般的なIT企業の例で考えてみましょう。上の図はIT企業のビジネスモデルを表した図です。あなたはシステムエンジニアで、SES事業を運営している企業は従業員であるシステムエンジニアをクライアント先に派遣します。そしてステムエンジニアの持つ技術力を提供することによって対価としてお金をもらうという仕組みになっています。このように考えた際に、クライアントにより高い技術力を持ったシステムエンジニアを派遣できればできるほどクライアントへ提供する価値は高まっていきます。つまり派遣されるシステムエンジニアは「より高い技術力を身につけることのできる素養のある人材」であるべきだと考えます。
- 「スキル」ではなく、「性格・スタンス」面の強みであるか?
- 企業のビジネスモデルや新卒に任される業務において活用できる強みであるか?
- 再現性のある強みであるか?
面接を突破するために、就活のプロと自分の強みを見つけよう
ここまで学生時代頑張ったことや自己PRにおけるポイントを解説しましたが、そもそも自分自身の強みが何なのか分かっていないと対策するのは難しいです。今からでも自分自身の強みを明確にして面接に向けた準備をしましょう。
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一次面接の質問解説③:就活の軸
「就職活動の軸」についても面接においては頻繁に質問されます。面接官はこの質問を通してあなたの将来やりたいことや目指したい将来像に対する本気度や論理的思考力を評価しています。
一般的に就職活動の軸は「ぽっと出」で思いつくものではありません。就活の軸は何か「将来の目的」があった上でその目的を果たすために必要なものや環境があるかを測る物差しとして使われます。そのため、就活の軸を語るには明確な原体験をもとにした”根拠”が必要になります。つまりその軸で就活をしている理由を目的から逆算して語れる必要があるのです。
またその「将来の目的」から逆算した「就活の軸」に一貫性があるかどうかも重要です。就活の軸が将来の目的とずれたものになっていると、あなたの発言に矛盾が生じます。その瞬間にあなたのこれまでの発言に信憑性が失われ発言の重みが薄くなってしまうので注意が必要です。
またこの就活の軸と「選考中、選考予定の企業」に一貫性があることも重要です。
「働く目的」⇨「就活の軸」⇨「選考中企業」と言行一致しているかチェックしてみてください。
- ①働く目的
1日の1/3の時間を使う仕事にどんな目的のために時間を投資するのか
- ②就活の軸
働く目的を実現するためにどんな環境が必要か、またその論理に一貫性があるか
- ③選考中企業
就活の軸を満たす企業を受けているか
選考段階ごとに対策ポイントは異なる
今回は一次面接の評価ポイントや対策方法について解説しました。選考段階ごとに面接準備のポイントは異なります。そのため選考段階によって対策方法を変える必要があります。それぞれの面接の評価ポイントを知って適切な準備をするようにしましょう。